突然の歯の痛み・詰め物が取れた時、まずすべきこと。歯科医が教える「正しい応急処置」

松山歯科医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の松山です。
「食事をしていたら、ガリッと嫌な音がして詰め物が取れてしまった」 「昨日は何ともなかったのに、急に奥歯がズキズキ痛み出した」
このようなお口のトラブルは、予期せぬタイミングで起こるものです。 「すぐに歯医者に行きたいけれど、仕事で抜けられない」「夜中で病院が開いていない」 そんな時、どう対応すれば正解なのか分からず、不安な時間を過ごされる方も多いのではないでしょうか。
また、「予約していないのに急に行ったら迷惑かな?」「手入れが悪くて怒られるんじゃないか」と心配されて、受診をためらってしまう方もいらっしゃいます。 まずお伝えしたいのは、痛みやトラブルがある時は、遠慮なく頼っていただきたいということです。
この記事では、いざという時に慌てず、適切な行動がとれるよう、受診までの「正しい応急処置」と「やってはいけないNG行動」について、歯科医師の視点から具体的にお話しします。 ご自身やご家族の「もしも」の備えとして、ぜひ参考にしてください。
目次
- 焦らないで。まずは「痛みのサイン」を確認しましょう
- 【重要】受診前に「やっていいこと」と「絶対ダメなこと」
- 「詰め物が取れた!」その時、守ってほしい3つのルール
- 我慢は禁物。こんな症状はすぐに連絡を(緊急性の判断)
- 「急に行っても大丈夫?」当院の急患対応の流れ
- よくある質問にお答えします
- まとめ
焦らないで。まずは「痛みのサイン」を確認しましょう
痛み止めを飲む前に、少しだけ冷静になって、その痛みが「どんな痛みか」を観察してみてください。 痛みの種類によって、原因と緊急度が異なります。受診時にお伝えいただけると、診断が非常にスムーズになります。
- 冷たいものがしみる(一瞬の痛み) 知覚過敏や、初期〜中期の虫歯の可能性があります。比較的緊急度は低いですが、放置すると悪化します。
- 噛んだ時だけ痛い 詰め物の高さが合っていない、歯の根っこに膿が溜まっている、あるいは歯にヒビが入っている可能性があります。その歯で噛まないようにして安静にしましょう。
- 何もしなくてもズキズキ痛む(自発痛) 虫歯が神経まで達している(歯髄炎)可能性が高いです。夜も眠れないほどの痛みになることがあるため、早急な処置が必要です。
- 歯ぐきが腫れて、熱を持っている 歯周病の急激な悪化や、根の先の膿が原因です。体調によっては発熱することもあります。
【重要】受診前に「やっていいこと」と「絶対ダメなこと」
「痛みをなんとかしたい」という一心で自己流の処置をしてしまい、かえって症状を悪化させて来院される患者さまがいらっしゃいます。 ここでは、正しい対処法とNG行動を整理します。
○ やっていいこと(推奨)
- 市販の痛み止めを飲む: 我慢せずに服用してください。ロキソニンなどの鎮痛剤は、痛みの物質を抑える効果があります。ただし、用法用量は必ず守ってください。
- 患部を冷やす: 頬の外側から、「冷えピタ」や濡れタオルで冷やすと、血流が抑えられて痛みが和らぐことがあります。(※氷で直接冷やしすぎないよう注意)
- お口の中を清潔にする: 食べカスが詰まっていると痛むことがあります。優しくうがいをして清潔を保ちましょう。
× 絶対にやってはいけないこと(NG)
- 患部を温める: お風呂に長く浸かったり、お酒を飲んだり、激しい運動をしたりすると、血行が良くなりすぎて神経が圧迫され、激痛を引き起こします。当日はシャワー程度にして安静にしてください。
- 患部をいじる: 気になって指や爪楊枝で触ると、ばい菌が入って感染が広がります。
- 痛い歯で噛む: 確認のために何度も噛み合わせると、歯のヒビが広がったり、炎症が悪化したりします。
「詰め物が取れた!」その時、守ってほしい3つのルール
詰め物や被せ物(クラウン)が取れてしまった時は、以下の3点を守ってください。
- 1. 取れたものは捨てずに持参する 「汚いから」と捨ててしまったり、ティッシュに包んで間違って捨ててしまったりする方が多いのですが、絶対に捨てないでください。 変形がなければ、消毒してそのまま付け直すことができる場合があります。これが最も早く、費用もかからない解決法です。 軽く水洗いして、小さなケースやチャック付きの袋に入れてお持ちください。
- 2. 瞬間接着剤で付けない(絶対NG!) 「とりあえずアロンアルファで付けておこう」というのは、歯科医として最も避けていただきたい行動です。 市販の接着剤は歯科用ではないため体に害がある可能性があるだけでなく、微妙なズレが生じて噛み合わせがおかしくなったり、外す時に歯を削らなくてはならなくなったりします。 取れたままの状態でお越しいただくのがベストです。
- 3. その歯で食事をしない 詰め物が取れた歯は、象牙質がむき出しになっており、非常に脆い状態です。 硬いものを噛むと歯が欠けたり割れたりするリスクがあります。治療までは、反対側の歯で優しく噛むようにしてください。
我慢は禁物。こんな症状はすぐに連絡を(緊急性の判断)
以下の症状がある場合は、一刻を争う可能性があります。夜間や休日であっても、地域の休日急患診療所などを探して受診することを検討してください。
- 顔が左右非対称になるほど大きく腫れ上がっている
- 38度以上の高熱が出ている
- 口が開かない、飲み込むのが辛い(呼吸が苦しい)
- 事故や転倒で歯が抜け落ちた(※抜けた歯は牛乳か保存液に浸けて、乾燥させずにすぐにお持ちください)
これらは細菌感染が顎の骨や喉の方まで広がっているサインかもしれません。様子を見ずに、すぐに医療機関にかかってください。
「急に行っても大丈夫?」当院の急患対応の流れ
「予約していないと迷惑では?」と心配されるお気持ち、よく分かります。 もちろん、ご予約の患者さまがいらっしゃいますので、多少の待ち時間をいただくことはありますが、当院では「痛みがある方」「お困りの方」を断ることはいたしません。
【来院時の流れ】
- まずはお電話ください: 「詰め物が取れた」「すごく痛い」とお伝えいただければ、可能な限りスムーズにご案内できる時間をお伝えします。
- 応急処置: 初日は、まず「痛みを取り除くこと」「生活に支障がない状態にすること」を最優先にします。 痛み止めや抗生剤の処方 噛み合わせの調整 詰め物の再装着、または仮のフタをする
- 今後の計画: 痛みが落ち着いてから、後日改めて根本的な治療(虫歯治療や新しい被せ物の製作)を行います。
「今日どこまでやって、次はどうするのか」をしっかり説明し、安心してお帰りいただけるよう努めています。
よくある質問にお答えします
- Q. 詰め物が取れたけど、痛くないから放置してもいい? A. 絶対にダメです。 痛くないのは一時的なものです。穴が開いた状態では汚れが溜まりやすく、内部で虫歯が爆発的に進行します。また、隣の歯が倒れてきて噛み合わせが狂うこともあります。痛くなくても早めに受診してください。
- Q. 妊娠中でも痛み止めは飲んでいい? A. 自己判断は避け、産婦人科で処方された薬があればそれを服用するか、受診時に必ず妊娠中であることをお伝えください。妊娠中でも使用できる安全な薬(カロナールなど)を処方します。
- Q. ドラッグストアで売っている「歯の救急セット(仮詰め材)」は使っていい? A. 受診するまでの数日程度であれば、食べ物が詰まるのを防ぐために有効な場合もあります。ただし、うまく詰められないと高さが出て痛みの原因になります。あくまで「つなぎ」として使い、すぐに歯科医院へ来てください。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 急な歯の痛みやトラブルは、本当に心細いものだと思います。 そんな時、「怒られるかも」「迷惑かも」と遠慮する必要は全くありません。私たちは、患者さまの痛みを一日でも早く取り除き、笑顔に戻っていただくためにここにいます。
もし、光が丘で急な歯の痛みや詰め物の脱離でお困りなら、まずは松山歯科医院へお電話ください。 「ブログを読んだ」と言っていただければ、スタッフが丁寧に対応させていただきます。 どうぞ、我慢せずに私たちを頼ってください。

