院長が解説!スポーツ時の歯のケガや脳震盪リスクを軽減する「オーダーメイドマウスガード」の重要性

2026年1月23日_院長が解説!スポーツ時の歯のケガや脳震盪リスクを軽減する「オーダーメイドマウスガード」の重要性

松山歯科医院の院長、松山昌弘です。

 

学生の方の部活動や、社会人の方の趣味のスポーツなど、体を動かすことは心身の健康にとって素晴らしいことです。しかし、歯科医として長年診療を続けていると、スポーツ中の不慮の事故によって「前歯が折れてしまった」「唇を深く切ってしまった」という患者様が急患として来院されるケースに何度も直面してきました。

 

特に、コンタクトスポーツ(接触の多い競技)では、一瞬の衝撃が取り返しのつかない歯の喪失につながることがあります。失った歯は二度と元には戻りません。だからこそ、ケガをしてから後悔するのではなく、「ケガを未然に防ぐ」ための準備が非常に重要です。

 

そのための有効な手段が「スポーツマウスガード(マウスピース)」です。 「義務化されていないから着けない」「話しにくいから苦手」という声も耳にしますが、最新のオーダーメイドマウスガードは、安全性だけでなく快適性も大きく向上しています。 この記事では、あなたや大切なお子様のお口を守るために知っておいていただきたい、マウスガードの正しい知識についてお話しします。

 

目次

 

1. スポーツにおけるお口のケガのリスクとは

スポーツの現場では、自分自身が気をつけていても、相手選手との接触やボールの直撃、転倒などによって突発的な事故が起こります。 歯科領域でよく見られるスポーツ外傷には以下のようなものがあります。

  • 歯の破折・脱臼: 強い衝撃で歯が欠けたり、根元から抜け落ちたり(脱臼)することです。特に上の前歯はダメージを受けやすい箇所です。
  • 口腔軟組織の裂傷: 歯で唇や舌、頬の内側を深く切ってしまう怪我です。縫合が必要になるケースも珍しくありません。
  • 顎骨骨折: 顎の骨にヒビが入ったり、折れたりする重傷です。
  • 脳震盪(のうしんとう): 顎への衝撃が脳に伝わることで起こります。

これらの怪我は、痛みだけでなく、食事や会話といった日常生活に長期的な支障をきたす可能性があります。

 

2. マウスガードが果たす3つの重要な役割

マウスガードを装着することには、単に「歯をカバーする」以上の大きな意味があります。

  • ① 歯と口の中の保護 最も基本的な機能です。衝撃を吸収・分散させることで、歯が折れるのを防ぎます。また、自分自身の歯が凶器となって唇や舌を傷つけるのを防ぐクッションの役割も果たします。
  • ② 脳震盪の予防・軽減 顎先に強い衝撃を受けた際、その力は顎の関節を介して頭蓋骨(脳)へと伝わります。適切な厚みと弾力を持つマウスガードを噛んでいることで、この衝撃が緩和され、脳震盪のリスクを軽減できると考えられています。
  • ③ 相手選手の保護 ラグビーやサッカー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツでは、自分の歯が相手選手の頭や腕に当たって怪我をさせてしまうリスクがあります。マウスガードは相手を守るためのマナーでもあります。

 

3. 「市販品」と「歯科医院のオーダーメイド」の決定的な違い

スポーツ用品店などでは、お湯で温めて自分で型を取る「ボイル&バイトタイプ」の既製品が安価で販売されています。しかし、歯科医師の立場からは、これらはあまり推奨できません。歯科医院で作製する「カスタムメイド(オーダーメイド)」とは、安全性と機能性に天と地ほどの差があるからです。

 

【適合性(フィット感)の違い】

市販品は、どうしても適合が甘くなりがちです。口を開けると落ちてしまったり、食いしばった時にずれたりすることがあります。 一方、歯科医院で作るマウスガードは、精密な歯型を取って作製するため、お口に吸い付くようにフィットします。激しい動きでも外れることはありません。

 

【呼吸と会話のしやすさ】

市販品はフィットさせるために厚ぼったくなりがちで、呼吸が苦しくなったり、発音が不明瞭になったりしがちです。 オーダーメイドであれば、必要な厚みは確保しつつ、発音や呼吸を妨げないよう噛み合わせをミクロン単位で調整します。これは、プレー中の集中力を維持するためにも非常に重要です。

 

【保護能力の差】

ただ分厚ければ良いというわけではありません。お口の状態や競技の特性に合わせて、衝撃を吸収すべきポイントを計算して設計できるのが、専門家によるオーダーメイドの最大の強みです。

 

4. 装着が推奨されるスポーツと義務化の動き

現在、ボクシングやアメリカンフットボール、女子ラクロスなどではマウスガードの装着が義務化されています。また、ラグビーや空手、アイスホッケーなどでも一部義務化や推奨がされています。

しかし、義務化されていなくても、以下のスポーツでは装着を強くおすすめします。

  • サッカー、バスケットボール、ハンドボール
  • 野球(特にバッティング時や守備時)
  • バレーボール
  • 格闘技全般
  • スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツ

学校の部活動レベルであっても、接触のリスクがある競技であれば、年齢を問わずマウスガードは必須の安全装備であると私は考えています。

 

5. パフォーマンスへの影響:噛みしめと体幹の安定

「マウスガードをすると力が発揮できる」という話を聞いたことはありませんか? 人間は、重いものを持ち上げたり、瞬発力を発揮したりする際、無意識に奥歯を強く食いしばります。このとき、噛み合わせが安定していると、首や背骨の筋肉が適切に連動し、体幹が安定しやすくなります。

 

オーダーメイドのマウスガードは、顎の位置を適切な状態で固定し、噛みしめる力を効率よく体に伝える手助けをします。これにより、筋力アップやバランス感覚の向上が期待できるのです。 「ケガの予防」だけでなく、「パフォーマンスの向上」という観点からも、アスリートにとってマウスガードは欠かせないツールと言えるでしょう。

 

6. 当院でのマウスガード作成の流れと期間

歯科医院での作成は難しいものではありません。一般的な流れは以下の通りです。

  • 問診・診察: 虫歯や歯周病がないかを確認します(治療が必要な場合は、先に治療を行って歯の形を整えてから型取りをします)。また、どのような競技で使用するかを伺います。
  • 型取り: 上下の歯型を精密に採得します。
  • 噛み合わせの確認: 顎の適切な位置を記録します。
  • 作製: 歯科技工所にて、専用のシートを用いてプレス・成形します。
  • 調整・お渡し: 出来上がったマウスガードをお口に入れ、当たりが強い部分や噛み合わせを微調整して完成です。

通常、型取りからお渡しまでは約1週間〜10日程度のお時間をいただいております。 また、成長期のお子様の場合、歯の生え変わりや顎の成長によって合わなくなることがありますので、半年に一度程度の定期的なチェックをおすすめしています。

 

7. まとめ:長くスポーツを楽しむために

スポーツは日々の生活を豊かにしてくれますが、たった一つの怪我がその後の人生に大きな影響を与えることもあります。特に歯の怪我は、食事の楽しみや笑顔の自信を奪ってしまう可能性があります。

 

ヘルメットやサポーターで体を守るのと同じように、お口にも専用の防具が必要です。 「市販のもので試したけれど、気持ち悪くて使わなくなった」という経験がある方も、ぜひ一度、歯科医院で作るオーダーメイドの快適さを知っていただきたいと思います。

 

光が丘でスポーツマウスガードの作成や、スポーツ歯科についてのご相談なら、松山歯科医院へお任せください。 患者様一人ひとりの競技やポジション、お口の状態に合わせた最適なマウスガードをご提案させていただきます。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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